
暗黒街を描いたメルヴィルの初期の佳作
この作品はジャン・ピエール・メルヴィル監督の4作目で「マンハッタンの二人の男」を撮る前の初の暗黒街ものの作品。
メルヴィル本人も語っているが、この作品はパリへのラブレター(このことはルイ・ノゲイラ著の「サムライ」に書かれている)で特にモンパルナスの風景、そこで生きる人々を丁寧に描写している(「マンハッタンの二人の男」はNYへのラブレターらしい)。
暗黒街ものといってもメルヴィルの後期の犯罪ものというよりは暗黒街に関わった男や女のドラマといったほうが良い。犯罪の完成に期待をもって観るとなんのカタルシスはないかもしれない。むしろ、賭博師ボブの人生最後の賭けを皮肉(ユーモア)たっぷりに描いているといったほうがいいかもしれない。
そして、この作品はメルヴィルがジョン・ヒューストン監督の「アスファルト・ジャングル」に影響を受けオリジナルの脚本を書いて5年後に映像化しただけあって、苦労して練り上げた犯罪計画と努力のむなしさというヒューストン的な発想がこの作品にも盛り込まれている。
メルヴィルの後期の作品にはない女性(イザベル・コーレイ)のエロティシズムを全面に出した描写は、この1950年代の作品としては珍しいし、今観てもひきつけられる魅力的な女性描写だと思う。
また、メルヴィルの作品らしく鏡、ワインの瓶、電話など小物の細かい描写のこだわりが感じられるし、終盤のカジノでの賭博シーンは特に「従業員へ」と言って渡すチップや、ついているボブに「賭けて」と渡す女性とのチップのやり取りなどリアルで男気が感じられるやり取りが魅力的で丁寧に描かれている作品だ。
他のメルヴィル作品と異なり音楽がチョット鼻につくが、メルヴィル特有の洗練された感覚を楽しめられるし、アンリ・ドカエの自然光を活かした独特の映像も堪能できる。日本公開もメリヴィルの死後となった貴重な作品でDVD化はうれしい(他のDVD化も期待したい)。
メルヴィルの傑作!
という評価を良く聞く作品です。
未見ですのでレビューはできないのですが発売が非常に楽しみな作品です。
ユニバーサルさんはこのような昔の佳作を掘り起こしてくれるので非常にありがたいです。
引き続き良い作品の発売を期待しています。
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