
必見! アカデミー賞6部門ノミネート。伝記映画の名作中の名作
全ての人にお勧めしたい、伝記映画のお手本のような名作映画です。
脚本の構成も素晴らしく、テクニカラー撮影によるセット美術も衣装もハリウッド映画ならではの素晴らしさ。ただ、PV作品なので、古いポジフィルムからDVD化していて、オリジナルの色彩や画質が見られないのは残念です。映画会社がオリジナルフィルムから純正品を販売して欲しいのですが……。
ショパンを演じる、後の肉体派アクションスター、コーネル・ワイルドはハンガリー移民の子。子供の頃から習っていたのでしょう、ピアノの特技が見られてびっくり。
名優ポール・ムニ(教授)、マール・オペロン(ジョルジュ・サンド)、スティーブン・ベカッシー(リスト)、ニナ・フォック(コンスタンティア)と適材適所の配役。
音楽はミクロス・ローザがショパンの名曲から、誰もが知っている、聞いたことのある良いところばかりを随所にちりばめています。
主演男優賞、脚本、色彩撮影、音楽、編集、録音の6部門でアカデミー賞にノミネート。授賞は逃していますが、素晴らしい作品です。
ドラマとドキュメントの区別がつく人なら、老いも若きも、全ての人が楽しめる作品です。
歴史と異なった内容です
ピアノを弾くのでショパンを扱った映画はないかと探してこのDVDにたどり着きましたが、まるで事実と異なった内容になっています。
恩師と一緒に国を救うために旅立つという内容になっていることがそもそも違っています。最初に訪れたのがパリだとされていますが、実際はウィーンでした。
それに恩師と旅はしていません。
作曲のタイミングも違うし、演奏会のお膳立てがジョルジュ・サンドというのも違っています。
実際ショパンは病弱であったらしいですが、そのためにヨーロッパツアーなどまったくの偽りです。リストとの関係も、ポーランドからやってきたコンスタンチアとは誰?状態。コンスタンツァという初恋の女性はいたらしいですが。
映画としてみても、教授の芝居はまるで…大げさな無声映画のよう。
ショパンの演奏はとても繊細で音が小さかったのでホールでの演奏は酷評されたのが事実と聞きましたが、映画の中ではとても力強い演奏が使われています。
これは音の効果として必要だったのだと思いますが、ショパンを演じる俳優にしてももう少し線の細い男性のほうがイメージできたと思います。
我慢して全部見ましたが、とてもお勧めできません。
楽聖ショパン
フレデリック・フランシス・ショパン(1810‾49)は、フランス人の父とポーランド人の母との間に生まれ、少年の時、既に、モーツアルトやベートーベンの曲を暗譜で演奏。更に即興で作曲。ピアノのプレイも驚く程に上手であった。ワルシャワ音楽学校の校長・ユセフ・エルスナーに学びピアニスト・作曲家として卓越せる才能を発揮した。1829年、ウィーンでの演奏会で大成功。1830年、友人・リストの薦めで、ワルシャワを去り、ウイーンを経て、翌年パリに渡り、そこに定住する。彼は、演奏会形式よりもサロン形式での演奏を好しとした。
そこで、幸せにも、多くのロマン波の芸術家に出会い、楽譜の出版社のボスにも出会い、益々彼は持て囃された。しかし、彼は、常に祖国・ポーランドを忘れなかった。彼の作品・グランドポロネーズのあの迫力ある感性からしても、それがはっきりと覗われる。1837年から、フランスの女流作家・ジョルジュ・サンドの特別な贔屓を得て益々社交界にその名を轟かせると同時に二人は深い恋愛関係に陥る。サンドはフレデリックの健康を常に気遣い、彼女の別荘のあるスペインのマヨルカ島に招いで彼の作曲活動を支援するが、或る日、祖国ポーランドでの反乱で同胞たちが苦しんでいることを知らされ、彼は、救援のための資金集めを決意して、彼女の止めるのも聞かず、以前から嫌っていたコンサートに出場する事を決断し、ヨーロッパの主要都市での演奏会に出場。遂に健康を極度に害し、演奏中に喀血して倒れる。ショパンのこうした少年時代から病死に至るまで、この映画は、こと細かに終始彼の作品のサウンドの中に描かれている。ショパンの人生を知るには比類なき作品である。19世紀のピアノの名器が次々と登場、キャンドルの灯りの元で演奏される描写は、実に素晴しい。113分の大作である。尚、この作品は、第二次大戦の真っ只中、1944年の製作によるものである。アメリカは、国の総力を挙げて戦っている最中、こんなに芸術性豊かな作品を世に送っていたのだ。以上・2007_7_19著者・大橋新也
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