
Disk1
オケコンの最高峰
弦チェレも非常に良いのですが、特にオケコンの方は最高の名演です。
ドラティの音作りは、まずリズム感がとても優れています。バレエ団指揮者としての経験が生きているのでしょう。テンポが崩れたり、逆に硬直したりという事が一切なく、旋律がごく自然に呼吸します。また厳しい統率を見せつつも情緒の欠如という罠へ陥らず、逆に過不足のない抑制が確固としたぶれのないシャープな表現を可能にしています。
しかしながら何より素晴らしいのは、こうした技術により浮かび上がる鮮明なバルトーク像のほうでしょう。ハンガリー出身でバルトークに直接師事したドラティの解釈は実に深く理路整然としていて、かつそれに止まらない理屈を超えた同国人としての熱い共感をも感じさせてくれます。弦チェレの第一・第三楽章なんて、実はアンネ・フランクの日記を地でいく恐ろしい世界なのですが、それでも苦悩から解放へと至る物語が与えるのは、絶望ではなく希望の光なのです。
オーケストラの魅力がいっぱいに詰まったこの一枚に出会えた幸運に感謝しています。無論ドラティにも。
知と情の見事なバランス
バルトークの管弦楽のための協奏曲は、ライナー、ショルティをはじめとして、いろいろな演奏を聞いてきましたが、個人的に一番気に入っているのがドラティ/コンセルトヘボウ管の演奏です。
まずいろいろな楽器・音色が整理されて、よく聞こえてきます。ドラティという人はさぞかし耳が良かったのでしょうし、そのドラティの指示を音にしていくコンセルトヘボウ管も見事です。しかも単に精緻というだけではなくて、要所要所で力のこもった音も出してくれて、その点でも不足はありません。バルトークの民俗性を強調するためでしょう、所々独特のアゴーギグがありますが、どれもピタリとはまっています。
「弦チェレ」の方は、オーケストラがフィルハーモア・フンガリカですし、録音もアナログなので、「オケ・コン」ほどではありませんが、それでも聴き応えがあります。
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