
Disk1
いっそうラディカル!
『展覧会の絵』という曲は、私の世代だとEL&Pか富田勳が入り口だった場合が多いと思う。
それほどこの曲はあの『プロムナード』を始め、魅力的かついじりがいのある旋律に溢れているということになる。
上記の二作はおそらくラヴェル編になるオーケストラ・ヴァージョンをさらに編曲し直したものだろうが、本来のピアノ組曲もやはり演奏家それぞれの個性をあますところなく曝け出す(ことのできる)稀なる曲だろう。つまり、誰が弾いても同じようには決して聞こえないのだ。
そして今日初めて聞いたフェルツマンの『展覧会〜』
最初から速めのアプローチ、そしてくっきりと音をつくりだし、緩急自在にテンポを変えていく様はまるでジャズのインプロヴィゼーションを聞いているかのような面白さに襲われる。
そして誰もがここぞ!とばかりにぶつけようとする『キエフ〜』への驚くほど新鮮な切り込み方はほんとうに素晴らしい。
バッハを録音しているらしいけれど、ぜひ聞いてみたいと思った。
絵の具をたたきつけるような展覧会の絵
最初のプロムナードから、ペダルを踏んだまま、輝かしい残響の中でテーマがたたきつけられる。絵の具をたたきつけて重ねていくような弾き方をしている。音そのものの力と色彩を味わわせるような弾き方である。
ロシア・アバンギャルド芸術を参照するまでもなくロシア芸術には、ひいてはロシア音楽には、「音と音の関係のシステム」としての西欧音楽とは異なったマインドに基づく、音そのものの力を顕そうとするような特性があると思う。そのようなロシア音楽として展覧会の絵を聞くための、とても貴重なディスクであると思う。
このディスクも、フェルツマンの一つの重要な芸の披露であると思われる。フェルツマンが2〜3年前にニューヨークで行ったという20世紀の前衛ロシア作曲家作品のコンサート、"Masterpieces of the Russian Underground" の録音が残っているのだったら、是非CD化して欲しいものである。
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