
Disk1
Disk2
心に沁みる響き
舘野泉が学生の頃コルトーの著書で出会ったというセヴラックのピアノ曲。演奏生活40周年記念として初めて舘野の演奏がCDとなった。ドビュッシーが「とても素敵な香りがする。心の襞の隅々まで、すべてが息づいている」と讃えているが、静かな柔らかな響きは聴いていて心に沁みわたる。南仏の大地に根ざした牧歌的な曲は柔らかな光を浴びた農村を充分想い浮かばせる。舘野は日本セヴラック協会を2002年に発足させ普及に努めている。なお、舘野の同名のエッセイ「ひまわりの海」(求龍堂刊)にセヴラックに関する解説があるので合わせて読まれるとよい。
素敵な大地の香りがする音楽
デオダ・デ・セヴラック(1872~1921)は、フランスの作曲家。
サン・フェリックスという田舎町で生まれた彼は、パリ音楽院に入ったものの厳格な校風に嫌気がさし、
ライバル校のスコラ・カントルムに移り、ダンディ、アルベニスなどに学びます。
しかし結局10年ほどでパリを離れ、スペイン国境に近いセレという田舎町に定住、穏やかな田園生活を送りました。
その音楽はまるで、モネ、マネ、ミレー、コローなどの絵を音楽にしたかのよう。
音で描いた田園風景であり、印象派絵画です。
各曲には詩的なタイトルがつけられています。
「春の墓地のひと隅」 「村のヴァイオリン弾きと落穂拾いの女たち」 「お祖母さまが撫でてくれる」・・・
ドビュッシーは彼の作品を 「とても素敵な大地の香りがする」と評しました。
とくに素晴らしいのは、「日向で水浴びする女たち」という7分足らずの曲。
日の光を受けてきらめく水しぶき、女たちの嬌声までが聞こえてくるようです。
CD2の後半におさめられた「休暇の日々から」という曲集には、2~3分の小品がたくさん集められています。
簡潔な書法ながら、愛らしいメロディ、やさしい響きが存分に盛り込まれ、じつにくつろげます。
ロマンティックですが、決してセンチメンタルではないのもいいところ、
カラリと乾燥して、べたついたところがないので、聴き疲れしません。
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