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アマゾンカスタマーレビュー

それでいいのだ ! 〜 In His Own Delusion

帯に「平成の日記文学」とあった。成程、ブログは日記文学なのか(玉石混淆だが)。本作は1998〜2005年の著者のブログを纏めたもの。中田ヒデを引き合いに出した冒頭の天才論で、オダジマは「自分の貧しさを納得させるには、才能という架空の財産を仮定するしかない」と韜晦しているが、勿論オダジマは異才の持ち主で、一般に受け入れられないだけである(最近メジャー化しつつあるが)。

冒頭から、140Km超のスライダーを投げていた懐かしいガルベス。流石は同世代。だが、オダジマの関心は野球からサッカーに移っているらしい。熱狂的なレッズ・サポーターである事は知っていたが、これ程のサッカー通とは。サッカーをメタファーとして国際情勢を語らせたら天下一品。トルシエものも本当に面白い。そして、ザリガニに米軍を見る。斬新な感覚だが、アメリカの帝国・侵略主義に対する嫌悪が全般に渡って出ている。宮崎映画に対する批評は同感。「ちょっと違うんじゃねぇ〜の」と思う方が自然。ディランとジョンへのフリーク振りも嬉しい。筑紫・ヒロスエ批判は相手のレベルが低過ぎる。文中、ダジャレも多いが、至言も散りばめられている。自己を相対化する能力が秀でている。

「勤勉は才能である以上に、自己否定を伴う強迫観念」
「正直者の頭には 妄想が宿っている」
「向上心ってのはそもそも視野狭窄の別名」
「平和っていうのは、敵が戦意喪失した時にはじめて訪れる」
「何かを信じるということは、その何かについて判断を放棄すること」

所謂良識派の方が読んだら怒る様な内容だが、これがオダジマの真骨頂であり、メジャーに成り切れない一因だろう。そんなオダジマの妄想と本音が詰まった楽しい一作。

まさに至宝

ネットの玉石混淆(ほとんどは腐れ石)の書き込み砂漠で、まさにダイヤともいえるプロの技を見せてくれる。この人がメジャーになれないのは斬れすぎるからでしょう。

いけいけ小田嶋、それゆき僕らの大ヒーロー

いや〜、小田嶋さん、たまんない。ほんと面白いよ、久々に本を読みながら、にやにやしては、ぷぷっ、って吹き出してます。1998年から2005年までのサイトの日記をかき集めたもの。小田嶋さんは、自身が過ごしたその7年間を、それはそれは楽しく、物悲しく、愚痴りながら、世の中に対する悪口とともに、優しく語るのです。
小難しい文章ばっか読んでると、頭でっかちさんになるから、こういう、スパッと切れ味の良い、でたらめな楽しい文章を読むと、ほんとうに心が躍る。るんるんです。

いけいけ小田嶋、がんばれおっちゃん!!(敬称略)

変な自然さ

内田樹の本で推奨していた人物であったので、初めて著書を読んでみたが、面白い部分とどうでもいい(活字にしてなくても)部分が半々という感じ。面白い部分は独自の視点が参考になったが、なんとなく著者自身の素直な考えや思いというより、変に斜に構えたところが感じられた。それはそれで笑えるのだが。

おもしろい!

 コラムニストの小田嶋さんが、インターネットの個人日記に書いた文章の単行本化です。文中何度も出てくるように、原稿料目当てに書いたものではないが、にもかかわらず、というか、だからこそめっぽうおもしろい。

 「金目当てでない仕事は何でこんなに精が出るのだろう」と、ご本人も書いているが(違う言い回しだったかもしれないが、大意そういうこと)、義務にしばられないでやりたいようにやれるというのが、性に合ったのだろう。

 世の中に対して斜に構えつつ、でも意志が弱く引きこもりの自分を十二分に意識し、しかしなおかつ守るべき矜持の一線は決して譲らないという、本来文学者に求められる資質が、ここには濃厚に息づいている。

 政治家になったり、知事になったり(同じか)、ワイドショーなんぞに出てお追従笑いをしながら愚にもつかないコメントをしたりしている最近のブンガクシャ先生たちを見るにつけ、小田嶋氏のスタンスの貴重さを思う。

 フィリップ・トルシエ元日本代表監督や元巨人のガルベス投手との脳内妄想会話など、腹がよじれる一方で、「伸び盛りの相撲取りは、いつの時代も、自分が何者なのかを判じかねているようなきょとんとした表情で勝ち進んでいく。おそらく、自分が何者であるかを知ったとき、力士は成長をやめるのだろう。」というような視点にハッとさせられる。

 唯一の心配は、タダのつもりで書いていた日記が単行本になってしまったことで、今も続くご本人の日記(ブログ)が、つまらなくなるのではないかということだが、大丈夫かな?